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SAITO MEDICAL GROUPが「エコノミスト未来賞2024 SDGs部門を受賞しました

[2024.09.19]

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診療報酬・公費に頼らない財源確保を

齋藤理事長が目指すものの一つは、医療を起点に新たな産業モデルを作ることだ。「医療は社会に必須、社会資源です。医療機関は安心安全のシンボルでもあり、地域社会に存在するあらゆるものが関連してくる。よって、医療だけやっていれば良いということではなく、平時も有事も地域社会での存在意義を念頭に置く必要がある。また、地域ごとの歴史と文化や疾病構造などの相違はあるものの、その地域で完結しつつ国全体でも完結し、かつ、永続発展することが重要。そういうことも含んだ広い意味での自給自足と共存共栄、これが大事なのです。医療の本質は、人の命と向き合い人生を豊かにしていくもの。単なる事業ととらえてはいけない」と語る。

日本の医療は、定額かつ低負担でほぼ均一な質を保つ世界に類のない皆保険制度を軸に発展してきた。だが、人口減少や財政圧迫などの国家的課題を背景に経営状況が厳しくなっているのが実情である。齋藤理事長は「医療の本質を追究するためには診療報酬・公費に頼らない仕組みが必要」と考え、その実現に向かって着々と前進している。

グループ内での共同購入は当然として、費用の部分を事業として内製化。医療法人以外の別会社でそれを経営し、その利益を医療・介護・福祉・保健に生かすという仕組みだ。齋藤理事長は「その会社自体で多くの利益を出す必要はなく、医療を支える事業として経営するという点が大事。例えば、最近グループに参画してきた床暖房会社ならば、北海道などの寒い地方での凍結対策はもちろん、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるトイレや脱衣所でのヒートショックの予防に寄与する意義は大きい。さらに配管、電気工事などの技術職がそこに加われば設備事業として発展する。設備メンテナンスをグループ内で完結できることになり、その波及効果は極めて大きく必ず実現したい」と力を込める。

今までの歴史を全て覆すわけではなく、その歴史を踏まえた上で、必要に応じて無理のない変革をしたいという齋藤理事長だが、そこには「自らが資本を作り出し、結果的に納税も増えれば国富増大にもつながる。国がもっと豊かになることにも役立つ」という強い思いがあるという。

奨学金制度や障がい者支援で人材を育成

昨今の医療業界に於ける教育や研究は、予算不足と人手不足から課題も多いという。齋藤理事長は「将来的には、グループ内で教育も研究も可能にするという大きな目標も持っています」と言い、その第一歩として奨学金制度を設け、医師や看護師などの資格取得を目指す学生に対して在学中の資金援助を行っている。元々は卒業後の就職先の確保やグループ内の人員確保を視野に入れたものだが、グループ外に出ていっても構わないという。齋藤理事長は「人を育てるということは、将来的に日本のためになります。僕自身、医師になる前は新聞配達・営業やタクシードライバーとして働きながら学費を稼いでいた経験がありますし、挫折や社会経験があった方が良い人材になるだろうと感じています。我々は、ずっと居たくなる魅力ある場所を作り出すことが大切なのです。ここにも公費に頼らない財政基盤が効いてくるでしょう」と語る。


また、人々の多様性を生かすことも社会の永続発展に寄与するため、障がい者の就労支援にも積極的に取り組んでいる。しかも、ここでは公費に頼らない財政基盤が徐々に実現しつつある。齋藤理事長は「実際に、利用者だった方が一般従業員になった例もありますし、その就労支援事業所での事業自体がグループ内全体へ波及する日も近い。また、根本的に重要なことは、人がそれぞれ持っている個性を生かし、働くフィールドの心理的な安全性や信頼を作ることが重要。そこが基礎にあれば、人も組織も自然と成長していく。医療に限らず、どんな事業でも、親子関係でも重要ですね」と説く。


本質に目を向け続けることを最も大切にしているという齋藤理事長。「組織も生きていて自分の陰です。経営運営でも最も必要なことは、結局は自分自身を磨き続けること、人生は一生修行。いろいろな場面で『真実一路』。公費に頼らない財政基盤を作ることも、私にとっては医療経営の本質を見ていく上での『真実一路』。『向き合うのはあなたの人生』ということもそうです。今後も物事の本質を一番に、新たな仕組みとその発展を考えて実現したい」と力を込める。

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