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Newsweek Japan 2023年12/26・1/2・9号に当グループ代表理事の記事が掲載されました

[2024.01.30]

ニューズウィーク日本版 Newsweek Japan 2023年12/26・1/2・9号 (発売日2023年12月19日)に当グループ代表理事の記事が掲載されました

日本各地の医療施設を永続発展させる、革新的な事業モデルの構築を目指す

北海道から宮崎まで、全国各地で病院や介護施設など(以下:病院など)を経営する一般財団法人SAITO MEDICAL GROUP。

北海道の僻地にある病院を継承し、地域資源を活かした川湯の森病院として立て直すことに成功して以来、同グループを14法人37事業所からなる医療グループへと発展させたのが、精神科医でもある齋藤浩記代表理事だ。

「祖父母や親戚を早くに亡くしたことから、『人はなぜ死ぬのか、人を失わないためには何をすればいいのか』といったことを常に考えている子どもでした。

また人類が争いを繰り返してきた歴史を知るうちに、人の心の問題や社会の環境、自然災害など、多くの問題を解決しなければ、人が安らかに過ごせる未来はないということも強く感じていました。とはいえ進路を選ぶ際には、まず目の前の人に向き合う医師になろうと考え、医学の道に進んだのです」。

医師になってからは、勤務医を経て、埼玉に自らのクリニックを開設。後に知人の弁護士から、北海道の病院の再建を依頼され、事業継承を決意した。

「当時から、病気がないと病院の経営が成り立たない日本の診療報酬制度に疑問を感じており、食やエネルギーを自給自足できるような病院をつくりたいと考えていました。相談を受けた病院は天然資源と豊な自然に恵まれており、私が思い描いていた仕組みを実現するのにぴったりだったのです」。

齋藤氏がそう話す川湯の森病院では、温泉熱やヒートポンプを利用した暖房設備や太陽光発電で、エネルギーの自給自足を実現。温泉熱を利用したビニールハウスや自家農園では野菜や果物の生産も行い、現在はワインづくりやコーヒー栽培にもチャレンジしている。

「一般的に、医療機関は儲かっているように思われるかもしれませんが、実はそうした時代はとっくに終わっています。

医師の技術に関係なく、いかに多くの患者に対応するかのみにフォーカスした現在の診療報酬制度では、医療機関が病気予防に力を入れるメリットを見つけにくく、医師や医療従事者の評価もされにくいのが現状です。

いっぽうで医療費の増大は日本の国家課題になっており、財源にも限界がある中で、医療機関の経営者は人口減少を始めようとする多様な視点から自院の将来を描き出す必要に迫られています」。

実際に地方の多くの病院が苦境に立たされる中、齋藤氏は地域の大切な資源でもある各地の病院などを、積極的にグループに加えてきた。

「私が大切にするのは、物事の真理や本質に光を当てる“真実一路”という価値観。また、経営は国づくりと考え、世の中をよりよく治めて人々を苦しみから救う“経世済民”の視点を重視し、医療、介護、福祉、保健は、その中でも重要な社会資源であるという考えを持っています」。

グループに加わってもらった病院などに関しては、地域のことを知る理事長を含む経営陣にできる限り運営を継続してもらい、そこに地域産業との連携といったスパイスを加えていく。

たとえば、埼玉の深谷や高知の四万十にある病院では、地域の市場や就労支援施設と連携し、“医食同源”の観点から地元の食材を使った手巻き寿司や弁当の販売を行うなど、地域と連携した事業もスタートさせている。

また、グループ内の病院での人材交流や技術交流を盛んに行うことで、各病院での地域のニーズに応じた診療科目の新設や、個々の医師や看護師のスキルアップを促進。僻地にある病院などの人材不足にも対応するなど、医療グループとしてのシナジーを大いに活かした病院経営を行っている。

「今後は少なくとも各厚生局管内にひとつずつの拠点を持ち、食やエネルギーの自給自足に加え、医業原価にあたる食材やリネン、薬品、医療材料、電子カルテ、医療機器など、病院などの運営に関わるあらゆることを内製化し、利益の上がる別部門とする事業などを展開したいと考えています。いずれは、それらの事業によって病院経営などを支えていく。こうしたモデルケースを実現し、日本のみならず医療費の社会負担に苦しむ世界の国々に広げていくことが私の大きな目標です。同時に、グループの病院などで働く人たちには世界一の好条件な職場を用意し、医療の質や安全、学術研究も最高レベルに高めたい。将来的には、そのための学術機関のグループ内での創出なども視野に入れています」。

自らが掲げる理想の事業モデルを、「できる限り早く実現したい」と齋藤氏は力を込める。

「たとえば、東海や東南海、南海、首都圏といった大地震はいつ起こるか分からず、そうした有事の際に人命を守るためには、中央と分離されてもきちんと機能する地域の医療拠点が重要になります。そこで私たちのグループが地域の人々の助けとなるためにも、自立・自走できるモデルに加え、地域や行政とも連携した盤石な医療機関を、しっかりと築き上げたいと考えているのです」。

齋藤氏が目指すのは、まさに幼き日から思い描いてきた、人々が安心して暮らせる社会の実現だ。異端の医師による壮大な挑戦は、未来へ向けて大きく前進しつつある。

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