直腸に便が詰まった状態では、十分な診察ができないため、できれば診察前に排便を済ませておいて下さい。
それ以外に特別な準備はいりません。
診察は個室で行ない、露出部位はタオルなどで少なくするなど、患者様のプライバシーが十分に守られる状態で行ないます。
診察の初めに、まず、問診を行ないます。自分の症状を事前によく整理しておいて、慌てずに質問にお答え下さい。その際、既往歴や常備薬の有無、手術歴、ご家族の方の肛門疾患の有無、最近の大腸検査の有無などもお聞きすることがあります。
診察の体位は男女共に「シムス体位」という横向きの姿勢(下図)で行ないますので比較的恥ずかしくない形といえます。診察は視診、触診、直腸診などを行ない、肛門鏡という器具で詳しい診察を行なうこともあります。また、肛門出血が主訴の患者様の場合には大腸検査を行なう場合もあります。
診察に際してはゴム製の手袋を使用し、潤滑油に鎮痛作用のあるゼリーを塗るなどして、清潔で、出来る限り痛みを伴わないような工夫を行なっていますので、患者様は怖がる必要はありません。
とにかく、肛門に力を入れず、リラックスして診察におのぞみ下さい。患者様の協力が得られてこそ、短時間で十分な診察を行なうことができます。

シムス体位
すべての診察終了後に、患者様の痔の種類や程度、今後の治療方法や生活上の注意点などについて、わかりやすく、丁寧な説明を行ないます。理解できない点や不安、疑問等がございましたら、遠慮せずに医師にご確認下さい。